財産分与における対象財産の補足

2015-07-03

弁護士の加藤です。今回は、離婚時における財産分与の対象財産にどのようなものがあるかについて、補足しようと思います。

1 不動産

自宅不動産については、既に詳しく記載していますので(2015/3/27コラム)、そちらをご参照ください。

2 預貯金

預貯金については、それが婚姻中に夫婦が協力して形成したものであれば、財産分与の対象となります。

稀に、子ども名義の預貯金が問題となる場合があります。預貯金の帰属はあくまで事案ごとに判断されるものですが、子どもが両親や祖父母から様々なお祝いやお年玉をもらうなどして形成し、実際にも子自身が通帳、印鑑、カードなどを保有し管理している場合には、子どもの財産とされることが多いと言えます。逆に、両親が夫婦の財産を子ども名義で保管しているに過ぎないような場合には、実質的な夫婦財産として、財産分与の対象となることもあります。

3 株式等

株式や社債・国債、その他金融商品といった資産も、婚姻中に夫婦が協力して形成したものであれば、財産分与の対象となります。もっとも、夫婦一方のみの個人的な才覚や努力により形成された財産については夫婦の実質的共有財産と認められない場合があり、株式等の投資財産は個人の才覚・努力により増加する面があるので、他方配偶者の寄与度が問題になる場合もあります。

4 保険の解約返戻金

満期未到来の保険について、解約返戻金が出るタイプの保険であれば、基準時点(別居時点や離婚時点)の解約返戻金額が財産分与の対象となります。

5 退職金

(1)既に給付を受けている退職金については、それが婚姻中に夫婦が協力して形成したものであれば、財産分与の対象となります。

(2)問題は将来給付される「予定」の退職金ですが、実務としては、数年以内に退職し、金額が明確にできる場合に限り、将来給付される予定の退職金も財産分与の対象とする傾向にあります。

というのも、実際の退職時期まで10年、20年といった長い期間がある場合には、本人側の事情(中途退職や死亡など)や、勤務先の事情(倒産、就業規則の改訂など)により、実際に退職金が支給されるか不明確になるからです。

最終的には、退職金が支給される可能性がどれだけ高いかを、個々の事案において判断することになります。

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